4月29日_高度順化隊、BCからC1へ_豪太日記

On 2013年4月29日 by dolphins

[行動概要]
高度順化隊(豪太、倉岡、平出、ミトロ、大城Dr)
ベースキャンプ→ C1(6100m)

3:00 起床
4:00 朝食
5:00 ベースキャンプ出発
11:35 c1到着
12:00 パックランチをたべる
13:15 お茶飲み会
17:00 夕食

・食事
朝食:ご飯、お味噌汁
夕食:味噌塩糀鍋、α米、漬物、缶詰
今日からそれぞれのプログラム始まる。

お父さんは今日までアイスフォール⇆ベースキャンプを何時も往復、トレーニングを行った。そして明日から補助酸素を使用して体を十分に休養する。

反面、僕たち(豪太、倉岡、平出、ミトロ、大城Dr.)は父をサポートするため高所でも酸素がなくても十分活動できなければいけない。そのためアタック隊のサポートメンバーは僕達を含めて全員C1、C2、C3までの高度順化を行う。

今朝は朝3時に起きて5時にはアイスフォールに向かった。
夜明け前に行動を開始したため最初は寒い。
月光とアイスフォールのなかの氷柱がなんともいえないほど美しい。
これから行く先は標高6100m。体に負担をかけないようにゆっくり歩いて行く。アイスフォールの中盤くらいになると突然太陽が顔を出し、昨日のようにたまらなく暑くなる。


≫徐々に陽が昇りアイスフォールの中を照らし出す

寒暖の差は恐ろしいほどだ。早朝にスタートした時は-10℃。太陽が出て、風が無いと体感温度が一気に+30℃以上になる。

体温調節は重要だがアイスフォールの中では安全な場所を探すのが難しい。
どこもかしこも巨大なトラック並みの氷柱が今にも崩れそうなドミノのように並んでいる。
適当な場所を見つけて着ていた服を脱いだ。


≫油断大敵、氷の塊のなかを慎重に進む

こんな景色のなか平出君が小型ヘリコプターを飛ばした。
これまでも低コストながら素晴らしいこれまで見たこともない視点からヒマラヤの風景を撮影してきており、今回もこの入り組んだアイスフォールの地形だからこその鳥観的視点を見せてくれるのではないかと期待する。

しかし、朝まだバッテリーが冷えているせいか思うより高度が上がらない。
しまいにはなんと、小型ヘリコプターがアイスフォールの中に落ちてしまった。そのせいかパーツが壊れてしまったらしい。ベースキャンプに戻ってからの修理になる。

C1ついたのは11時30分ころ。
これまでとは違う領域の標高なだけに、思うように体が動かない。
とりあえず1時間程休んでから行動を開始することにした。

高所にきてもっとも重要なのが水分補給だ。
シェルパに大きなズタブクロに雪をいっぱい持ってきてもらい、それを最新のジェットバーナーで溶かしお湯にする。それをお茶やスープにして水分補給するのだ。


≫高所では水分補給が大切だ

ジェットバーナーは効率よく熱をコッフェルに伝えるため、ガスの消費も少ないし雪を溶かしてお湯にするのもとても早い。最近では2リットルコッフェルサイズのジェットバーナーがあるので、今回はそれを使いジェットバーナー鍋に挑戦してみる。

ある程度の温度の水を作りコンブ、ホタルイカ、ホタテ、煮干し、ヒジキ、どんこなどの乾物を入れる。

乾物は水で戻り、それをそのまま具材として温め、味噌や塩糀など入れると出来上がりだ!
出来栄えは外しようがなく、たっぷりとダシの効いたスープは体を温める。
よし、アタックの時にもこれを使おう!

ここC1はウェスタンクーンの入口で、テントの入口を開けるとエベレスト、ローツェ、ヌプツェが一望できる。
ここでとれた雪はとても綺麗でお湯にしても透き通っている。

エベレスト名産のお湯で作った鍋とお茶は最高だった。