4月27日_EBC10日目。子供が生まれた!_豪太日記

On 2013年4月27日 by dolphins

[行動概要]
ベースキャンプ滞在  ニュース 子供生まれる!!!アイスフォール散策

2:30 赤ちゃんが気になり起きる
3:00 日本に電話、第二子女の子誕生の報告を受ける! 父と兄に報告
3:45 メールのやりとり 赤ちゃんの写真を見る
4:00 再度寝る
7:15 起床
8:00 朝食
10:15 アイスフォール散策
12:40 昼食
15:20 高度順化のための準備
18:00 夕食

・食事
朝食:スクランブルエッグ、ハッシュドポテトチーズ、パンケーキ
昼食:味噌煮込みうどん、お稲荷さん
夕食:麻婆豆腐、野菜味噌炒め、カレー、ごはん

・天気
おおむね晴れ
夜中 3時 -10℃
昼 40℃

昨日は妻からの陣痛の報告を聞いてからあまり眠ることができなかった。

今日の早朝に倉岡さんとミトロ君がC2の様子をみにいくのに朝3時に出発するという。とりあえずそれにアラームを合わせて起きることにした。
朝2時半、アラームが鳴る前にどうしても気になって起きてしまう。出産については実は4月中旬からいつになるのか気になっていた。予定日は4月22日だったのだが、妻のおなかはとても大きく、2人目でもあったので早く出てくるものだと思っていたからだ。

ところが、予定日になっても赤ちゃんはおなかの居心地がいいらしく、なかなか出てくる様子がない。
それが昨夜、突然陣痛が始まったという報告をメールで受け、すぐに電話をした。
僕の姉と一緒に日赤病院に向かっている最中で、次に妻が電話にでたのが分娩台にいるところだった。

朝の3時。
こちらの記録をとるためカメラマンの平出君をテントから起こして、衛星電話で電話を掛ける。
日本は朝の6時だ。
妻が電話にでた。

最初の一声が、
「生まれたよ!」
僕が「本当!!!」
妻「どっちだと思う?」

僕たちは生まれる前まで性別を伏せてもらっていた。僕は前から女の子だと思っていたので、
「女の子!」といったら
妻「あたり!!!」
僕はよく頑張ったと妻をねぎらった。


≫3096グラムの元気な女の子

さて、前回のエベレスト登山をご記憶の方もいるかもしれないが、僕の長男も前回のエベレスト登山中に生まれた。
わざとやっているわけでもなく、むしろ無計画な家族計画の結果でこうなってしまう。そのため、今回も妻の出産に付き添えず、僕の母と姉、そしてミウラ・ドルフィンズ事務所スタッフ全員総出で身重の妻と幼い息子の面倒を、エベレスト遠征中にしてくれている。持つべきものは理解ある家族と素晴らしい友人である。いくら感謝してもしきれない。

こちらベースキャンプでも、出産の吉報を2週間前から待っていた父、兄、カメラマンの平出君、そして今回の登山をサポートしてくれる仲間達全員に報告、シェルパ達までも自分のことのように喜んでくれた。

今後、当然のことながら、今登っているエベレストに登ることに全力を尽くし、無事に帰ることで彼らの気持ちに応えていきたい。

今日はその後、みんな思い思いのことをした。倉岡さんとミトロ君はC2の偵察。貫田さんと大城先生はプモリC1に再びいった。
お父さん、兄、五十嵐さんと僕はアイスフォールの中を午前中散策した。
すると、最初はブラジル人二人から父に握手と写真を求められた。これまでポーランド人、マレーシア人、メキシコ人など様々な国の人から父の挑戦に対して尊敬の意を表された。どうやら父が80歳で上るというニュースは日本だけではなく世界中に広がっているらしい。


≫アイスフォールのトレーニングを兼ねた散策

またしばらくすると、以前、僕たちの隊の登山をサポートしてくれた2人のシェルパにすれ違う。彼らとも以前苦楽を共にしてきたシェルパ達で再会を喜んだ。
さらに歩くと、以前、シシャパンマという山で一緒になったイタリア人の一流登山家、マルコと再会する。彼は父がいまだにエベレストの山頂を目指していることを目の当たりにしてラテン系らしい強烈なハグをしてくれた。今度、イタリアのプロシュートをわがベースキャンプに届けてくれるという。


≫再会を喜ぶ父とマルコ

なぜかしら山でしか会えない人達がいる。彼らの普段の生活なんて想像もつかない。彼らはいつもピッケルを持ちアイゼンをはいて、荷物を担ぎ、日に焼けた顔に満面の笑みを浮かべてその時の再会を祝う。

僕の子供たちはまだまだ幼いけど、息子も娘も将来こうした特別な場所でしか会えない友人ができることを願った。
そんな思いで今日という1日を過ごした。