4月9日_三浦雄一郎のスペシャルパンケーキ教室_豪太日記
[行動概要]
ディンボチェ(4300m)にて休養/荷物整理/高度順化
7:00 起床 三浦雄一郎スペシャルケーキ講習会
8:00 朝食
10:00 荷造り
12:00 昼食
13:00 再び荷造り
18:30 夕食
・体調
豪太:下痢より完全復活
その他の隊員おおむねよし
・食事
朝食: 雄一郎スペシャルパンケーキ、昨日の残り鍋スープ、チャパティ、目玉焼き
昼食: 昨日の残り鍋スープで作ったうどん
夕食:豚生姜焼き、麻婆豆腐、オクラ、野菜炒め、ご飯
・天気
晴れのち曇
今朝起きると父が、
「よし、今日はミウラヒマラヤスペシャルパンケーキの作り方を教えるので、五十嵐くんとコックを呼びなさい」
と言われ朝一番からドタバタと人探しと食材探しをしなければいけなかった。
ミウラヒマラヤスペシャルパンケーキとは父がいつも日本のデパートにある自然食品売り場から買っているキナコ、ココア、ゴマ、ナッツ類など数十種の体に良さそうな粉末を卵と一緒にかき混ぜてフライパンでパンケーキのように焼くのである。
そこに入っている材料は毎回違っていて、分量も超テキトウである。
そのため当たり外れが多く、以前東京で行ったエベレストミーティングのとき、みなに振舞おうとしていた父はその中に納豆を混ぜた…。
するとパンケーキをちぎると糸が引いていた。
それをみた貫田さんは、以来このスペシャルパンケーキを非常に警戒している。
多くの場合はココアパウダーやココナッツが入っているので美味しい。
しかしたまに、こうしたこんがり甘系のパンケーキの中に、なんとも言えないダシの風味がする。聞けばイリコダシとシイタケの粉末を加えたという。
…
そんなわけで今朝の春晴れのとても爽やかなヒマラヤの朝、 ドタバタとミステリーパンケーキのため慌ただしく動かなければいけなかった。
コックと五十嵐さんに加え、お兄ちゃんやカメラの平出君まで加わり三浦雄一郎のクッキング教室が始まった。
今回も事前に日本で買っておいた数十種の材料を、父はそれらをテキトウに洗面器に豪快に放り込みかき混ぜた。コックがそれをフライパンでパンケーキよろしく焼き上げると、香ばしい香りがしてきた。
試食してみると甘さの中にココアの風味とナッツのカリッとした感触があり見た目も焦げ目がつきブラウニーのようになりこれが美味しい!
今回は当たりだ!栄養も満点!
みんなが「美味しい」いうと父は得意げに
「次回はイリコダシを入れてみるか」
と言ったので僕はすかさず、
「我々素人にはこれで十分美味しい。イリコダシをいれる上級者編はもっともっと後にして」
とお願いをしておいた。
≫三浦雄一郎によるスペシャルパンケーキ教室
そんなわけで今朝の朝食はミウラヒマラヤスペシャルパンケーキの成功バージョンと昨日の鍋残り、そしてチャパティととっても幸運に恵まれた朝ごはんをいただいた。
さて、ここディンボチェはこれから始まるエベレストに向けて最初の高度順化の起点であり、そのため、日本、カトマンズ、ルクラ、ナムチェとこれまでバラバラだった荷物が再集結された。
こうした荷物をディンボチェからポカルデまでのキャラバン用に組み直さなければいけない。
午前中は個人装備 午後は食材などの整理に追われた。
空気が少しづつ希薄になり、作業はゆっくりおこなわなければ息がきれる。
間違いも多くなり何度も作業を繰り返しながら行った。
≫荷物の整理と装備チェックはひとつひとつ丹念に行う