ミウラ・ドルフィンズ事務局よりお知らせ

On 2012年10月31日 by dolphins

三浦雄一郎エベレスト2013プロジェクトに、日頃より多大なるご支援を賜り、
心より感謝申し上げます。
10月17日よりヒマラヤへトレーニング遠征に入っていた三浦隊は28日、日曜日に当初
の目的であったロブチェ東峰(6119㍍)のベースキャンプ入りをいたしました
が、三浦雄一郎の不整脈が再発した為、5300㍍以上の本格的登攀をしないという判断
をいたしました。今回の遠征は来年のエベレスト本番を見据えた、三浦の体調チェッ
クとトレーニングを目的としており、高所における持病の不整脈の再治療の必要性を
確認する為のものでもありました。
80歳のエベレスト挑戦を如何に確実に行うか、という明確な目標のもとに行われた判
断ですので、どうぞご心配なさいませんよう、お願い申し上げます。
下記、本日、現地の豪太より送られてきた中間報告内容をご参照ください;

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ロブチェイースト中間報告書 (三浦豪太 2012年10月31日 11:13am)

ロブチェイースト、ハイキャンプに向かっている最中、父に二回の不整脈を記録し
た。
父の不整脈は急に心拍数が上がる心房頻拍といわれているもので、これまで心拍数が
1分間に110回程度だったのものが急に150~160回になる。こうなると急激に心拍
数が上がってしまい心臓が空打ち(空回り)し、体に十分に血流量を送ることができ
なくなってしまう。発作が発生すると、父は動くことができず、心房頻拍が治まるま
で5分程度その場から動く事が出来なくなってしまう。不整脈はルクラからロブ
チェベースキャンプまでのキャラバンの最中、幾度かにわたり記録されていた。
こうした不整脈の発作は高度な登攀技術を要するロブチェイースト峯において危険を
伴い、継続的な不整脈の発作が続いたため、トレーニングの継続は困難と判断、最高
到達点をロブチェイースト、ハイキャンプ(5300m)として10月30日に下山活動
を開始した。
幸いなことに、今回は国際山岳医であり、循環器内科専門である大城和恵先生が心電
計、心拍計を用いて詳細に記録をとり、その状況を把握、心房頻拍の治療についても
かなり前向きな具体的な治療法を頂いた。これらは日本に帰国後、専門的な治療によ
り十分完治するものであるという事だ。そのため日程を早め日本に帰国することにし
た。
元々、今回の遠征の最重要課題は三浦雄一郎、80歳のコンディションを知ることであ
る。
そういった意味では今のタイミングで問題が明確になり、十分に来年のエベレスト本
番まで時間があり対応が可能であるという事は不幸中の幸いだともいえる。三浦雄一
郎本人も治療に前向きに取り組む意思がある。
今回ロブチェイースト峯の登頂には至らなかったが、中止を決めた直後、来年のエベ
レストに向け、もしネパール側に登山活動が移った際の高度順化計画について斬新
行動予定を発案、下調べを入念に行った。
この度、多くの皆様の多大な応援、支援を頂き誠にありがとうございました。
ミウラチームは現在カトマンズに向かって下山活動中です。(ディンボチェにて)

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三浦雄一郎と豪太は11月6日前後に帰国予定となります。
また詳細が分かりましたら、ご連絡申し上げます。
2003年、2008年の70歳&75歳エベレスト挑戦のときも、同じような状況や症状があ
り、それぞれ乗り越えてまいりました。来年の本番に向けて着実に進んでまいりま
す。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ミウラ・ドルフィンズ
三浦恵美里