5月6日_EBC14日目 ベースキャンプにて支援隊と過ごす_豪太日記

On 2013年5月6日 by dolphins

[行動概要]
ベースキャンプ(5300m)
7:00 起床
8:00 朝食
10:30 集合写真
11:00 アイスフォール探索
12:00 昼食
15:00 日本茶の時間
18:00 夕食
21:00 就寝

・食事
朝食:ごはん、パンケーキ、茹で芋
昼食:パスタ、ベジタブルソース
夕食:参鶏湯、茹で野菜

・天気
午前晴れ 午後雪・晴れ

今朝起きると支援隊のメンバーの方に何人か疲れの顔が見えた。

しょうがない、昨日はじめて5350mの標高に来たのだから。

竹岡さんは、昨夜はほとんど寝ていないという。なのになぜかしら朝からとてもテンションが高かった。
倉岡さんが朝食にゲストを一人招待した。ラッセル隊のガイド、田村さんだ。田村さんは昨日C3に宿泊して、BCへ戻ってきたという。

ラッセル隊はエリザベス女王に食事を振舞ったとされるシェフがいるが、毎日、洋食なので日本食をご馳走する代わりに現在のラッセル隊の様子とハイキャンプの様子を聞き出そうというのだ。
田村さんは久しぶりのごはんと味噌汁でご満悦の様子。上部キャンプの様子などを教えてくれた。
今朝、C3を出てきたとき、その気温はなんとマイナス28度だったとのこと。そのうえかなりの風が吹いていたというからその寒さは想像を絶する。

春がきたとはいえ時折吹きすさむ北風は凍てつくほどの寒さだ。現在ラッセル隊は15日前後にCBを出発し、アタックを開始するのではないかという見解だ。
この15日という日程は実は僕達が掴んでいる天気の情報と一致する。

現在、ベンガル湾にてサイクロンが発達し始めている。その発達の度合いと進む方向によっては15日前後にエベレスト全体、特に高所では大きな影響を及ぼすであろうというのがウェザーニューズの見解である。

しかし、これはまだ10日間ほど後のことであり、こうなるといくら優秀な天気予報でも精度の高い予報は難しいことだ。
いずれにしろ、僕達は15日~16日に天候の悪化が予想されているので、それを過ごしてからの出発を考えていた。
そうなると、これから10日間近くベースキャンプにいることになる。

これではモチベーションも体力も下がる。僕達はこの間に一度プモリC1に行くことを検討した。それならばお父さんも再度エベレストC1程度の順化活動を行うことができるし、体力も維持できる。さらに二日ほど滞在してキャンプへ戻ってきても十分体力の回復を見込める。
出発するとしたら、支援隊が帰った直後ぐらいだろう。

その支援隊だが、本来は朝の天気のいいうちにベースキャンプを中心に散歩をしようと思っていた。しかし、調子が良くないので、昨日と同じようにアイスフォールの中を少し散歩する程度にとどめた。
昼食が終わり、竹岡さんが是非、みんなに抹茶を振舞いたいということで3時のお茶タイムにそれをセットした
竹岡さんのお茶はいつも本格的である。お茶セットを持ってきて、僕達が日本より持参した蒔絵の人間国宝である室瀬先生の作った漆塗りのお椀でお茶をたてた。
素晴らしいお椀に素晴らしい抹茶セットが目の前に並ぶ。
僕は竹岡さんのアシスタントとなりお茶を濾す役割となる。

作法も素晴らしく、こうした日本文化に疎い僕でもなんだが身が引き締まる思いであった。
しかし、元来不器用である僕がアシスタントになってお茶を濾したため、その作法も台無しにしてしまった。
さらにお昼にパスタを食べすぎて、気持ちはしまったがお尻は閉まらず、おならがお茶を濾す度に出てしまい、せっかくの日本茶の香りも濁してしまった。
終いには「素晴らしいお屁前で」といわれる始末である。


≫素晴らしいお屁前……?!


そこに近藤謙治さんがベースキャンプマネージャーの女性と遊びに来た。お茶もさることながら、お茶よりも僕のおならの出る量に驚かれた。
近藤隊は先日、ロブチェイーストにて高度順化を行った。その後、僕達がC3に言って帰ってくるときにすれ違った。近藤隊はC2で一泊過ごした後帰ってきたがまた明日C3タッチを目指して登るという。
いずれの隊もみんないつをアタック時期に定めようかというのが現在の状況だ。
夕食は僕が得意な参鶏湯である
参鶏湯は鳥を丸ごと圧力鍋にいれて薬効成分のあるお茶、にんにく、しょうが、クコの実、松の実などを入れて調理する。
とっても手軽でありながら。体が温まりとてもおいしい。
今回の出来はこれまででもっとも美味しかった。


≫今日の三浦隊名物サムゲタンは良い出来だった