4月11日_ランボーカルカから見る絶景_豪太日記

On 2013年4月11日 by dolphins

[行動概要]

ディンボチェ(4300m)→ランボーカルカ(4800m)

5:30 起床 荷物整理
7:00 朝食
8:45 出発
12:00 パックランチ昼食
13:00 ランボーカルカ到着
17:30 夕食

・体調
全員概ね健康

・食事
朝食 :ごはん、ヒマラヤスペシャルパンケーキ、スキヤキの残り、パン
昼食 :パックランチ
夕食 : シェルパカレー、ダル、ご飯

・天気
夜半に雪 午前晴れ 午後曇り 最大風速8.6m (4800m付近)
朝最低-3 最高16度(テント内)
朝起きると外は一面雪化粧!
なんだかスキーのシーズン初めを思わせる景色だ。
でも陽が昇ると、この雪も僕達がディンボチェを出発する頃にはすっかり溶けていた。

今日はいよいよポカルデの高度順化に向かう。
ここで隊は二手に分かれる。一つは父やエベレストアタックメンバーを中心としたポカルデ高度順化隊。もう一つはエベレストベースキャンプキャンプに先行してベースキャンプの環境を整える隊だ。
エベレストベースキャンプ先行は貫田さんと三戸呂君が行ってくれた。残りはポカルデ隊となる。

そのため朝から直接エベレストベースキャンプに送る荷物とポカルデ高度順化につかう装備に振り分けた。これらはヤック(毛の長い高山にいる牛の一種)の背中に載せたり、ポーターたちが担いでいく。ヤックはヤックドライバーといわれるヤック使いが動物を誘導する。
ヤックドライバーの多くは女性でなかには若い子もいる。
今の時期ディンボチェ以上の高度になるとヤックの必要な草があまり生えていない。

そのためヤックドライバーはヤック達が食べる干し草を背中いっぱいに担ぎながら、ヤック達を操る。なんとなくヤックよりヤックドライバーのお姉ちゃん達の方が荷物を担いでいるように見える。
高度に順化していない僕達は干し草をいっぱいかついでヤックの尻をひっぱたくおばちゃんやお姉ちゃんにどんどんと抜かされるのである。
ワイルドだろ~。


≫大きな干し草の袋を担いでいくヤック使い

今日の行程はディンボチェからランボーカルカ(4800m)までの道程だった。カルカとはヤックのための放牧地で、そこにはヤックを囲い込む石の壁がある。

僕達はその石の囲いの中にテントやダイニングテントを張った。
その間ヤック達は自由に外で草を食べている。傍からみるとどちらが家畜なのか分からない。


≫キャンプ地到着後、のんびりとヤックたちがまず食事

それにしてもここのランボーカルカから見る景色は絶景だ!
目の前にはイムジャの谷を一望に見渡す事ができる。めったにここでキャンプをすることがないので今回は本当にラッキーだ。


≫息を飲む美しさ

しかし、今日の行程はこれまでの登高のなかでも標高差がかなりある。4300mから一気に4800mまであがったので体調管理が難しい。
ただ、父は今回のトレッキングで今日が最も心拍と血圧が安定していた。

他のメンバーの顔色もいい。順化は順調に進んでいるようだ。
夕食も終わり明日のスケジュールを確認すると、サーダーのギャルツェンから相談があった。それは昨年偵察を行った5200m地点が、今回確認に行ってみたら氷と雪に覆われていてキャンプを設置するのは難しいというのだ。
さらにこれから先にヤックが上がることができるコンディションかどうか分からない。
一旦、その手前でキャンプを設置し、ポカルデのベースキャンプをその翌日少しでも長めに登ることになるが、それでも目指す事も考えた。

しかしそれよりも、大きな問題は高所へ入る15日16日に大雪が予想されている事だ。
登れたとしても、ちょうどハイキャンプに入ったときに吹雪になるとそこで身動きがとれなくなる可能性がある。この事を考えると高度順化をポカルデで行うのはリスクが高い。貴重な日数を無駄にするかもしれない。

違うオプションを考えていると倉岡さんが、
「プモリのベースキャンプで高度順化を行うのはどうか」
と提案した。プモリはエベレストの真向かいにある山で標高は5700m、ここで宿泊を行えばポカルデのハイキャンプと同じ標高なので同等の順化ができる。その上、これから予想される悪天の期間をエベレストベースキャンプまでの移動に有効に使い、回避することができる。

これまでポカルデでのスキー滑走にこだわっていたが優先順位はエベレスト登山だ。それを父が最も理解しており、このプモリ案を積極的に検討し賛成した。
現在の状況を考えるとこれが最良の選択と思える。
それにしてもヒマラヤでの経験豊富な倉岡さんがいてこその判断であった。


≫快調な様子の三浦雄一郎