ロブジェ東峰遠征日記 2012年10月26日

On 2012年10月26日 by dolphins

天気:晴れ後曇り
行動概要:ディンボチェ 高度順化
6時:起床
7時:朝食(キムチおじや)
9時50分:コングマツェ(5200m)BC 下見
13時:行動食
16時:ディンボチェ戻り
18時:夕食()

 

日記 (豪太) 10月26日

朝食を食べて、トイレに入っていると、父の部屋から呼び出された。
「豪太 とてつもないいいアイデアが浮かんだ」
僕は悪い予感がしながら、トイレから出た。ダイニングに行ってみると父は地図を広げている。
「豪太、1970年にワシがエベレストに挑んでいる時、ロブチェによった際、暇だからスキーを担いで滑った山がある。今地図を見てみるとそれはコングマツェという山らしい。今回の目的をロブチェイーストではなく、ここにしようではないか」

これまでも、何度か目的の山ではない山に登りに行くことがある。以前もアイランドピークを登りに行くといって突然、チョラパスという峠でスキー撮影をした。いつも唐突でアドベンチャー要素がある分は面白いのだが、問題は突然言われるのでその山の情報が一切ないことだ。

そこでだ…と父が言う。
「ゴン、五十嵐君、三戸呂君とで、この山を偵察に行ってくれ」
地図の上では、ここのベースキャンプは5400mとなっている。ディンボチェの標高は4300m、とういうことはこの高所で標高差1000m以上を登りベースキャンプにいかなかければいけないのかと思ったが、地図上には以前から興味のあるトレイルにあったので、口では面倒だと言ったが、内心期待に膨らませていた。

このトレイルはロブチェからツクラを結ぶマニアックなルートでほとんど人が通らない。ロブチェからくると、5500mのコングラという峠と氷河を横切らなければいけないのだが、ディンボチェからだと、標高差はあるが、ツクラに行く途中の分岐したトレイルをひたすら登るだけだ。天気も晴れ渡り絶好の偵察日和である

偵察のポイントは、ベースキャンプまでの距離と標高、そして難易度そして、お父さんの歩行距離も考え途中のキャンプ地の選定だ。キャンプ地となる場所は平らで水があればいい。しかし、等高線をみると急激に上がり、なかなかちょうどいいキャンプ地がない。4800mほど上がった地図の上では「ランボ」というカルカの跡地(ヤックの放牧地)がいいのではないかと目算をつけた。

それから、3時間で標高5200mの地点まできた。ここから先はヤックが通りにくいとサーダーのギャルツェンはいう。そのためその手前でベースキャンプを作り、本来ベースキャンプである場所はハイキャンプとして扱い、最低限の荷物だけ上げる方法を考えた。

しかし、肝心の山の難易度、かかる時間などは分からずじまい。ディンボチェまで戻ると、貫田さんがインターネットでこの山について調べてくれた。日本の勤労山岳者山岳連盟の会員の方が残した記録にこの山が載っていた。詳しく、アプローチから途中の危険な場所まで記録してあった。しかし、頂上の写真を見るとそこには雪がない。

このことにすっかりコングマツェに興味をなくした父は結局、予定通りロブチェイーストに登ることにした。父の思いつきによって大変な一日となったが、久しぶりに自由に山登りができてある意味楽しかった。

 

天気も良く…