5月9日_EBC17日目 エベレスト登山前のいい休暇_豪太日記
[行動概要]
プモリC1(5900m) 高度順化
6:30 起床
7:30 朝食
11:30 昼食
15:00 お汁粉(白玉入り)
17:00 夕食
・食事
朝食:キムチおじや、お味噌汁
昼食:ラーメン
夕食:シチューカレー、ごはん、お味噌汁
・天気
午前晴れ 午後曇り
朝-8℃、昼間15℃
今日はプモリC1で、飽きずにずっとのんびりエベレストを眺めていた。
前回の高度順化でプモリC1に来たときは、スポンサー・バナー撮影や日本との中継などで暇がなかった。
今回は特にそういった用事も作らず、プモリC1にいることが目的であったためとてものんびりしていた。
それにしてもここから眺めるエベレストは最高である。
北側と南側のルートが同時に見えるのはヒマラヤ広しといえども、このロケーションくらいではなかろうか。
これまでに、貫田さんがエベレストの北側から登った時の話や、
倉岡さんのエベレスト登頂の話しを聞いていた。
二人ともいつもバカな話をしているが、改めてすごい登山家なのだなと思う。
五十嵐さんが持ってきた望遠鏡を借りてのぞいてみると、第三キャンプから上にルートを伸ばしている様子が見える。
今朝は無風なのでそのままサウスコルから上へとルートが伸びるだろう。
さらに北側のルートを見ると、なんと北側も多くの人が登っている。
今日、明日は快晴が続くので、登頂日和でもあるし、ルートを上へと伸ばすのにも最適だ。
エベレストの写真を何枚も撮っていると、もう一つ面白いことに気が付いた。
それはクーンブ氷河に偶然ハートマークの湖があるということだ。
朝、それが反射していて、さらにエベレストも入る。
ポストカードにすれば売れるかも…。
≫プモリC1から眺めるエベレスト(左)風がなく晴天だ
そんなのどかな会話をしていると、突然不穏なニュースが流れてきた。
それは今日、サウスコルに荷あげするはずの、僕らのチームメンバーであるミンマ・ヌルシェルパが体調不良のため降りてきたというのだ。
その後、彼はすぐにHRA(ベースキャンプの病院)に行き、盲腸だと診断された。
そのころにはすでに午後になっており、いつもの通り雲が湧き出てきた。ヘリコプターを手配したが、それも飛べるかわからないという。僕達はヘリコプターの音を耳を澄ませて待っていた。
盲腸とはいえ、それが破裂してしまったら大変だ。事は一刻を争う。
貫田さんが一生懸命カトマンズにいるエージェントと話している。
夕方16時、やっとヘリの音が聞こえた。
そのヘリにミンマが収容された。そのついでにキッチンアシスタントのディンディもヘリに乗り込んだという。
ディンディは一昨日から歯が痛く、見ると歯茎が腫れていた。
ひどくなる前に歩いてナムチェの歯医者まで行くように何度も言っておいたのだが、ちゃっかりミンマのヘリに乗り込んだようだ。
しかし、ミンマはカトマンズの病院にいくのにディンディはどこまで行くのだろう?
とサーダーのギャルツェンに聞くと、ディンディだけルクラで降りるということらしい。
ルクラにも歯医者があるそうだ。帰るのにナムチェよりも一日余分に歩かなければいけなくなるが…。
高度順化とはいえ、ほとんどのメンバーはすでに5900m程度の高所に順化している。
今回のプモリC1はエベレスト登山前のちょうどいい休暇のようなものだった。
午後には白玉入りのお汁粉を作った。
たぶん世界中を見渡しても、高所でこんなモノを作っている人は他にいないだろう…。
≫これが、世界最高地点の白玉お汁粉?
≫プモリC1から空を見上げる