5月5日_EBC13日目 支援隊と野口健さん、来たる!_豪太日記

On 2013年5月5日 by dolphins

[行動概要]
ベースキャンプ(5300m) 休養、支援隊お出迎え

7:00 起床
8:00 朝食
11:00 野口健さん、わがベースキャンプ訪問
13:30 支援隊到着
14:00 昼食
16:00 お散歩
18:00 夕食

・食事
朝食:パンケーキ、ごはん、ハッシュドポテトチーズ
昼食:お蕎麦、野菜天ぷら
夕食:ダルカレー、ごはん、お味噌汁

・天気
おおむね晴れ
朝-10℃ 昼15℃

今日は待ちに待った支援隊が来る日だ。

みんな、友人達ばかりで、彼らの顔を見るだけで元気になりそうだ。
問題は彼らがルクラから歩き通しで、いきなり5350mのベースキャンプまで順調に入れるか(高所順応的に)どうかである。

僕達はここBCの標高に慣れたが、普通の人にとって、多少日数をかけて上がってきたとしてもいきなり宿泊するにはきつい高度だ。
支援隊を待っていると、珍しい人がBCに顔を出した。
アルピニストの野口健さんだ。

これまでも野口健さんとは、ここエベレストBCにて何度も顔を合わせたことがある。13年も08年の時もだ。
考えてみれば、エベレスト遠征の時決まってエベレストベースキャンプで会う。これも運命だろうか偶然だろうか必然だろうか?

野口健さんはトレッキング中で、ローロワリング地方のシメガオン村にて中国資本の企業が巨大なダムを作っているというのでそれを見に来たという。そこからテシラプツァ峠を超えてエベレスト街道にこようとしたが、大雪のため、断念。
一度カトマンズに戻って飛行機で再度ルクラまで飛んでからエベレスト街道をトレッキングしてエベレストベースキャンプまで来たという。
いつもはカメラマンが同行したり、清掃隊などといった目的をもっているのだが、今回はおつきのシェルパと2人のみで来ていた。

ダイニングに案内し、昔話に花が咲いた。
2時間ほど話をしてから、今日はゴラクシェプに帰るというので、お見送りをした。
どうやら本当にここまで、わざわざお父さんの激励をしに来てくれたようだ。
姿が見えなくなるまで手を振る。


≫野口さんがベースキャンプまで激励にきてくれた

それから1時間後、支援隊がわがBCに辿り着いた。

支援隊はウェックトレックの稲村さんと秋元さん、そしてシェルパのミンマが率いてきた。丘の向こうから、竹岡さんの大きな声が聞こえ、牧野さんが手を振ってくれた。到着すると久保さん、原さん、宮原さんと次々と握手を交わす。
懐かしい顔ぶれに思わずお父さんも僕も顔がほころぶ。

再会を喜び、みんなで写真を撮る。
そしてみんなが僕の娘が生まれたことを祝ってくれた。
懐かしい面々に会うだけで元気になるが、支援隊はもうひとつ大きな役割を果たしてくれる。

本来なら遠征に入るとき、すべての装備や食料などを持ってくるのが基本だ。
しかし、どうしても忘れ物があったり、最近の日本の情報が欲しかったりする。支援隊は僕達の装備の不備を補ってくれたり、どうしても必要なものをベースキャンプまで届けてくれた。

彼らが到着してすぐに昼食を食べる。
メニューは野菜天ぷらそば。さぞかし久しぶりの日本食だと思ったが、どうやら道中もコックがついて日本食が中心だったという。
しばらく休んでから父の案内でアイスフォールに入ることにした。

アイスフォールは一般のヒマラヤトレッキングでは決して経験できないものだ。
僕達のキャンプから少し入っただけで氷のワンダーランドになるその様子にみんな興奮気味だ。ゆっくりと歩きながら身体を動かすがまだみんなの体はこの高度に順応してないので、息が上がる。アイスフォールツアーも40分ほどで切り上げる。


≫雪のワンダーランド散策中

それにしても、みんなよくここまでこの短期間で来たものだ。
僕達は1か月以上もかけてこの高度に慣れてきたが、彼らは10日間程度でここまで来た。高度障害が出ても不思議はない。

大城先生がみんなの健康状態を調べる。何人かは高度の影響を受けて顔がむくんでいる。SPO2の低い人もいる夕食後、酸素の補給が必要な人、顔のむくみのひどい人と考えてそれぞれ大城先生が対処している。

到着したときに大丈夫でも、高所における夜間の睡眠はとても厳しい。
低酸素に加えて寒さやテントでの寝心地の悪さがコンディションに影響する。彼らの本当の健康を知るのは明日の朝になるだろう。