5月20日_EBC28日目 ローツェフェースを越えC3′へ_豪太日記

On 2013年5月20日 by dolphins

 

[行動概要]
C3(7000m)→C3′(7400m)

7:00 起床
8:00 朝食
9:00 C3出発
12:30 C3′到着
17:00 夕食

・食事
朝食:赤飯
夕食:マトンカレー

・天気
早朝はれ その後曇り霧

 

昨日からローツェフェースに入り2日目に入った。

朝起きると切り立った壁の中だった。
テントの中は暖かくそんなに大それたところにいるとは思えないが、
テントのチャックを開けるとウェスタンクーンを眼下に見下せる絶景だった。

この前まで高度順化にプモリのC1にいってきたが、その時プモリの頂上は遥かなる頂だった。
しかしその頂さえもいまや低く見える。
さらに奥にはチョオユーも見える。

以前チョオユーに登ったとき、目の前に突然エベレストが見えた。

あの時は岩だらけの急な山にどうやったら登れるのだろうか考えたが、
今まさにその急なローツェフェースにいる。

僕達がいまいるのがlower C3と呼ばれているところそれでも十分高いのだが、
これから向かうのはupper C3と呼ばれている所よりも高いポイントだ。

通常どちらかのC3に泊まり、翌日はサウスコルを目指すのだが、
今回は父の意向で「年寄り半日仕事」をテーマとしてやってきた。

そしてついに半日の移動が同じキャンプ内になってしまった!

 

 

しかしエベレストのなかでC3からサウスコルまでの移動標高差がもっともある。
また死亡事故が多いのもこのC3であるのだ。

エベレストに登る多くの登山家はC3を分岐に酸素を使う。

しかしここの標高はすでに7000mを超えている。
高山病が発症し深刻化するポイントなのだ。

なにを隠そう僕もここで前回高山病になった。
そのためキャンプ内移動といわれようがここは慎重になるのは大賛成だ。

それしてもローツェフェースは長い!

幾つかの垂直とも思える壁を超えると、ピストル岩から大量の人が降りてくる!

彼らは昨日エベレストに登った人達である。

先日C2から長蛇の列で山頂を目指した集団が今度は集団で降りてきた!
ローツェフェースはほとんど1本のロープでルートができているから、
すれ違うたびにクリップかユマールの掛け替えを行う必要がある。

何百回とその架け替えをやっただろうか。
その度に挨拶を交わす。

登頂に成功して自信に満ち溢れた顔もあれば、疲れきった顔で座りこんでいる人もいる。

 

 

その中でひときわ大きく甲高い声で「倉岡さーーん」と叫ぶ女性がいた。

ベースキャンプで知り合った山ガールである。
彼女も何と昨日登頂に成功したという。
疲れた顔ながら、喜びに満ちた今にも泣き出しそうな笑みを浮かべていた。

「おめでとう!」
と心から言ってクリッピグを掛けすれちがった。

それから間もなくして僕達はC3′に到着した。

3時間ほどで着いたが、あれほど多くの人たちとすれ違わなければ2時間程度でついたかもしれない。

しかし300m以上も標高が上がったおかげで、

さらに高度感が増しエベレストやサウスコルもより近くに見える。

考えてみれば贅沢な旅だ!

これほど余裕をもって世界一の景色を堪能できるのだから。

夕食はさらにグレードアップした場所で、4日連続となるマトンカレーを食べた。