5月16日_EBC24日目 アイスフォールを抜けC1へ_豪太日記
[行動概要]
ベースキャンプ(5300m)からアタック→C1(6050m)
3:00 起床
4:00 朝食
5:05 ベースキャンプ出発
13:40 C1到着
15:00 お茶
17:30 夕食
・食事
朝食:参鶏湯おじや
夕食:味噌汁鍋 アルファ米山菜おこわ
・天気
早朝マイナス4℃ 終日曇り・雪・霧
今日からいよいよ山頂へ向けてのアタックがスタートする。
アタック開始のカギを握っていたのは8日後の天気。
通常、エベレストに登るのは5日もあればいいのだが、
僕達の隊は普通の隊よりも多くキャンプを設定したり、C2にて余分に休みをとるため他よりも多く日数が必要なのだ。
そのため天気を予測するのはとても難しい。
出発から登頂まですべて天気がいいというのは望むべくもない。
今日出発するのにあたり一番心配だったのはサイクロンの接近だ。
幸いサイクロンの直撃はなかったが今日が最もサイクロンの接近が近いということで、朝から天気が崩れるようだったら終日崩れたままだというのがウェザーニュースさんの見解だった。
朝、テントを出ると外には星が瞬いていた。この分だと少しはもつだろうと思われた。
昨日の参鶏湯の残りをおじやにした朝食を食べ、予定通り5時ちょっとすぎにはBCを出ることができた。
アイスフォールの途中まで兄、五十嵐さん、貫田さん、早坂さん、新谷さんが見送りに来てくれた。
アイスフォールには特殊な装備が必要なため、途中でお別れになる。
これまでずっと一緒だった仲間と別れるのは寂しいが、山頂から下りて10日後にまた笑顔で再会することを誓った。
≫途中まで見送りにきてくれたベースキャンプ待機隊(五十嵐、貫田、兄、早坂)
それにしてもアイスフォールほど美しくて危険な場所はないだろう。
自然の造形に思わず心を奪われそうになる。
しかし、その圧倒的な氷塊の量はちょっとした自然の気まぐれで一変する。
そんな気まぐれがもし起これば、子供がアリを潰すように僕達は消えてしまうだろう。
実際、今回通ったルートは14日前に通ったルートとかなり変わっている。何度か崩壊したのであろう。
今回のエベレスト登山作戦は父の体力を温存することにあった。
そのため2度にわたるプモリC1にて高度順化をおこなったのだが、
父にとって今日が今回の遠征で初のアイスフォールとなる。
そのため、途中から安全を期してと、アイスフォールを抜けるスピードを重視するため酸素を父に使ってもらった。
順調なペースでアイスフォールを抜け13時40分にはC1に到着することができた。
ほとんど疲れもないようだ。
アイスフォールを抜けるあいだ、僕達は下から湧き上がる雲とレースをしていた。
時々、雲に包まれ数メートル先まで見えなくなったと思ったら突然それが晴れたりもする。
天候はこれから回復傾向にあるという。
最初に悪天候を経験しておけばこれからが楽だろう。
≫下から湧き上がる雲&霧とおかっけこをしながらアイスフォールを登る
≫ベースキャンプ出発後、約8時間半。順調なペースでC1到着